障害状態悪化で改定請求

障害状態悪化で改定請求

現況届の診断書での等級変更

障害年金は障害等級により年金額が異なります。受給している障害年金が症状が固定していない有期認定(1年~5年)の場合は、指定された年に現況届の診断書を提出することになっています。

この現況届の診断書で症状が悪化していたら自動的に改定(等級変更)されることになっています。

ただし最近の認定状況を見た中で、明らかに1級の内容の診断であったのに等級変更がされなくて、3年有期から5年有期に変更になっただけの事例がありました。

現況届の診断書での上位等級への変更は、この事例のようにハードルが高いと言えます。

現況届の診断書による増額改定

現況届の診断書による増額改定は、提出指定日の属する月の翌月分から行います。ただし、提出指定日の翌日から起算して3ヵ月を経過した日以降に現況届を提出した者は、提出のあった日の属する月の翌月分から行います。
【例】

  • 7月生まれは、7月末が提出期限で翌月8月から増額します。
  • 7月生まれが3カ月を経過した11月に提出した場合は翌月12月から増額します。

現況届の診断書による減額改定または支給停止

現況届の診断書による減額改定または支給停止は、提出指定日の翌日から起算して3ヵ月を経過した日の属する月分から行います。また、検診または日常生活調査(以下検診等)を提出指定日の翌日から起算して3ヶ月を経過した日以降に受けた者は、検診等を実施した日の属する月の翌月分から行います。
【例】

  • 7月生まれは、7月末が提出期限で8・9・10月を経過した11月分から減額又は停止されます。

現況届の診断書で注意

現況届の診断書で注意しないといけないのは、主治医が転勤等で変わったり、転医している場合です。
ペースメーカーを装着している受給者が、現況届の診断書を手術した病院でない近所の医院で書いてもらったら、ペースメーカーを装着していることが診断書に未記載で3級非該当になって支給停止になった事例がありました。

有期認定の方は現況届の診断書のコピーを残しておいて前回診断書との違いをよく確認することがポイントです。
医師は病気の治療の専門家ですが、障害年金用の診断書を書く専門家ではありません。
現況届の診断書の障害の程度が心配で内容チェックをご希望の方は当センターにご相談ください。

同じ傷病による改定請求

現況届の診断書の提出までに障害の程度が重くなった場合は障害年金受給者が自らの意志で改定請求を提出することによっても改定(等級変更)されます。

請求書の障害給付額改定請求書(様式第210号)こちらです。

改定請求の時期は?

  • 改定請求は受給権を取得した日又は日本年金機構の診査を受けた日(診査年月日)から1年を経過してから請求できます。
  • 改定請求の診断書の現症年月日は請求日以前1ヶ月以内の状態を記したものなので、 最短で改定請求するには11ヵ月を経過して医師に診断書作成を依頼して12ヶ月経過した日に請求できます。
  • 1年以上遡及する認定日の新規裁定請求で認定日・現症とも3級に認定されたが、2級以上と思う場合は、審査請求と同時に受給権を取得した日から1年以上経過しているため改定請求を行うことができます。
  • 有期認定の現況届の診断書で従前と同じ等級、又は等級は同じで診断書提出が2年から3年に変更になった場合は、現況届そのものは単に障害の程度を確認しただけで、国民年金法第101条・厚生年金保険法第90条に規定する給付の処分ではないので、現況届提出から1年以内でも請求が可能です。    (45.12.22庁文発3007)
  • 改定請求をした結果、従前の等級変更がなかった場合は、その診査日から起算して1年を経過した日以降に再度改定請求ができます。
  • 提出した診断書の内容が現在の等級より下位等級に該当すると認められた場合でも、受給者からの額改定請求は増額改定請求であることから不利益変更は原則行われません

改定請求で年金額が増えるのはいつからか?

改定請求で年金額が増えるのは、改定請求提出の日が属する翌月からです。このため改定請求は1日でも早く提出することが重要です。

障害の状態によっては1年以内でも請求が可能

平成26年4月前は障害年金の裁定請求、額改定請求を行ってから、その後1年間は改定請求ができませんでした。

「1年間を経過した日」としたのは、1年以内では症状が固定せず障害の程度が変動することが多いため、何度も請求を繰り返したり年金額の改定請求を繰り返したりすることを防止するためとされていました。

ところが、1年の間に明らかに障害の程度が増進し不可逆性が認められる場合もありましたが、1年間経過するまでは請求できませんでした。

平成26年4月からは「公的年金制度の財政的基盤及び最低保証機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」の施行により、障害の程度が増進したことが明らかな場合は、1年を経過しない時であっても改定請求できるようになりました。

このため、その障害の程度が増進したことが明らかな場合として、増進した障害の状態(病名ではなく障害の状態)が省令で新法と旧法の年金別に規定されました。

新法の障害年金は年金証書の年金コードが2650、5350、1350です。
旧法の障害年金は年金証書の年金コードが0620、0330です。

◎新法・・1年を経過しなくても額の改定を請求できる場合

受給権を取得した日、または障害の程度の診査を受けた日のどちらか遅い日以降に、該当した場合に限ります。
※ 14の場合は、完全麻痺の範囲が広がった場合も含みます。

眼・聴覚・言語機能の障害
1 両眼の視力の和が0.04以下のもの
2 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
3 8等分した視標のそれぞれの方向につき測定した両眼の視野がそれぞれ5度以内のもの
4 両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの、かつ、8等分した視標のそれぞれの方向につき測定した両眼の視野の合計がそれぞれ56度以下のもの
5 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
6 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
7 喉頭を全て摘出したもの

肢体の障害
8 両上肢の全ての指を欠くもの
9 両下肢を足関節以上で欠くもの
10 両上肢の親指および人差し指または中指を欠くもの
11 一上肢の全ての指を欠くもの
12 両下肢の全ての指を欠くもの
13 一下肢を足関節以上で欠くもの
14 四肢または手指若しくは足指が完全麻痺したもの(脳血管障害または脊髄の器質的な障害によるものについては、当該状態が6月を超えて継続している場合に限る)

内部障害
15 心臓を移植したものまたは人工心臓(補助人工心臓を含む)を装着したもの
16 重症心不全で心臓再同期医療機器(心不全を治療するための医療機器をいう)を装着したもの
CRT(心臓再同期医療機器)・CRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)
17 人工透析を行うもの(3月を超えて継続して行っている場合に限る)

その他の障害
18 6月を超えて継続して人工肛門を使用し、かつ、人工膀胱(ストーマの処置を行わないものに限る)を使用しているもの
19 人工肛門を使用し、かつ、尿路の変更処置行ったもの(人工肛門を使用した状態および尿路の変更を行った状態が6月を超えて継続している場合に限る)
20 人工肛門を使用し、かつ、排尿の機能に障害を残す状態(留置カテ-テルの使用または自己導尿(カテーテルを用いて自ら排尿することをいう)を常に必要とする状態をいう)にあるもの(人工肛門を使用した状態および排尿の機能に障害を残す状態が6月を超えて継続している場合に限る)
21 脳死状態(脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至った状態をいう)または遷延性植物状態(意識障害により昏睡した状態にあることをいい、当該状態が3月を超えて継続している場合に限る)となったもの
22 人工呼吸器を装着したもの(1月を超えて常時装着している場合に限る)

◎旧法・・1年を経過しなくても額の改定を請求できる場合

受給権を取得した日、または障害の程度の診査を受けた日のどちらか遅い日以降に、該当した場合に限ります。

※ 17の場合は、完全麻痺の範囲が広がった場合も含みます。

国民年金法の障害年金
1 両眼の視力の和が0.04以下のもの
2 両耳の聴力損失が90デシベル以上のもの
3 両上肢の全ての指を欠くもの
4 両下肢を足関節以上で欠くもの

厚生年金保険法の障害年金
5 両眼の視力が0.02以下のもの
6 両眼の視力が0.04以下のもの
7 一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.06以下のもの
8 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
9 喉頭を全て摘出したもの
10 両上肢を腕関節以上で失ったもの
11 両下肢を足関節以上で失ったもの
12 一上肢を腕関節以上で失ったもの
13 一下肢を足関節以上で失ったもの
14 両下肢をリスフラン関節以上で失ったもの
15 両下肢の全ての足指を失ったもの
16 重症心不全で心臓再同期医療機器(心不全を治療するための医療機器をいう)を装着したもの
CRT(心臓再同期医療機器)・CRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)

国民年金法・厚生年金保険法の障害年金(共通)
17 四肢または手指若しくは足指が完全麻痺したもの(脳血管障害または脊髄の器質的な障害によるものについては、当該状態が6月を超えて継続している場合に限る)
18 心臓を移植したものまたは人工心臓(補助人工心臓を含む)を装着したもの
19 脳死状態(脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至った状態をいう)または遷延性植物状態(意識障害により昏睡した状態にあることをいい、当該状態が3月を超えて継続している場合に限る)となったもの
20 人工呼吸器を装着したもの(1月を超えて常時装着している場合に限る)

「改定請求はいつまでできるか」と新法と旧法による違い

昭和61年4月以降の新年金制度では二階建ての給付体系で障害基礎年金と障害厚生年金は上下一体の給付として支給されています。

新法の障害年金では障害の程度が増悪したことにより障害厚生年金が3から2級に等級改定が行われた場合は、事後重症による障害基礎年金の請求があったとみなす(国民年金法第30条の2第4項)ことにより、2級障害厚生年金には2級の障害基礎年金が併せて支給されるようになります。

ただし、事後重症による障害基礎年金の発生は65歳に達する前日まで(国民年金法第30条の2 厚生年金保険法第47条の2)に限られているため、65歳以降に障害状態が3級から2級に増悪した場合は障害基礎年金は支給されません。

このため65歳以降は3級の障害厚生年金受給者の改定請求(厚生年金保険法第52条7項)はできません。

なお、65歳以上の3級障害厚生年金受給者で、以前に2級の障害状態に該当していたことがあり、障害基礎年金の受給権を有しているが、現況届の診断書で障害の程度が軽くなっていて支給停止されている者は、障害状態が増悪し再び2級に該当したときは、「老齢・障害給付 年金受給権者支給停止事由消滅届」(様式207号)の提出により障害基礎年金の支給停止が解除され、障害厚生年金についても3級から2級に等級改定が行われます。
「老齢・障害給付 年金受給権者支給停止事由消滅届」(様式207号)こちらです。

旧法の障害厚生年金については上記のような問題は生じないため、65歳以降いつでも3級からの改定請求ができます。
いうまでもなく旧法国民年金の障害年金も2級から1級への改定請求は可能です。
旧法国民年金の障害年金では79歳で改定した事例もありました。

別の新たな障害との併合による年金額の改定

併合改定とは?  

障害年金の受給者の次のような方に

  • 障害基礎年金2級
  • 現在は障害基礎年金が支給停止中のもの
  • 障害厚生年金3級または以前に1・2級であったが現在支給停止中のものを含む

さらに障害等級の1・2級に該当しない程度の眼又は耳の障害が生じた場合には、前後の障害を併合した障害の程度による障害年金が支給されます。
ただし、この場合には後発障害が受給要件を満たしていることが必要です。

併合改定の事例解説

事例1
2級の障害基礎年金の受給者に、国民年金の加入中に新たな傷病(眼又は耳の障害)が発生し、新たな傷病の障害基礎年金を裁定請求し、後発障害が3級に該当し併合して1級に該当した。

前初障害「障害基礎年金2級」+後発障害「国民年金障害等級不該当(3級)」=障害基礎年金1級

国民年金加入中の障害が3級該当の場合は前発障害年金の1級への額改定が行われます。

事例2
2級の障害厚生・基礎年金の受給者に、厚生年金保険の加入中に新たな傷病(眼又は耳の障害)が発生し、新たな傷病の障害厚生年金を裁定請求し、後発障害が3級に該当し併合して1級に該当した。

前初障害「障害厚生・基礎年金2級」+後発障害「障害厚生年金3等級」=障害厚生・基礎年金1級

厚生年金保険の加入中の障害が3級該当の場合は前発障害年金の1級への額改定が行われます。併合後の障害厚生年金の年金額は後発障害の障害認定日までの被保険者期間により計算されます。

なお、併合しても1級にならない場合は、後発障害年金(3級)の裁定処理が行われ、前発障害年金と後発障害年金の選択となります。

事例3
2級の障害基礎年金の受給者に、厚生年金保険の加入中に新たな傷病(眼又は耳の障害)が発生し、改定(裁定)請求し、後発障害が3級に該当し併合して1級に該当した。

前初障害「障害基礎年金2級」+後発障害「障害厚生年金(3級)」=障害基礎年金1級

厚生年金保険加入中の障害が3級該当の場合は後発の障害厚生年金(3級)の裁定と、前発の障害基礎年金の1級への額改定が行われます。

この場合、後発障害年金(3級)と併合改定後の障害基礎年金(1級)との選択となります。
なお、1級にならない場合も前発障害基礎年金(2級)と後発障害厚生年金(3級)との選択になります。

事例1~3の3級と2級との併合で1級になるのは、3級の障害が併合判定参考表の5号(眼と耳の障害)に該当しているものに限られています。5号以外の6号~10号(眼と耳以外の障害)の3級と2級を併合した場合は2級となります。

併合判定参考表 障害の程度 各番号 併合番号 障害の状態
3級 5号 1 両眼の視力がそれぞれ0.06以下のもの
2 一眼の視力が0.02以下に減じ、かつ、他眼の視力が0.1以下に減じたもの
3 両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上のもの
4 両耳の平均純音聴力レベル値50デシベル以上80デシベル未満で 、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの

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