糖尿病による合併症
糖尿病にはさまざまな合併症があります。
糖尿病は血糖値が高くなる(高血糖になる)病気です。
ところが、高血糖だからといって、特別な自覚症状が現れることはあまりありません。
糖尿病の治療をしないでいると、知らないうちに全身にさまざまな病気「合併症」が起きてきます。
目次
糖尿病の「三大合併症」
高血糖が続いていると、全身の細い血管や神経の障害が出てきます。
糖尿病の患者さんに特有な病気の代表として、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害があります。
1.糖尿病性網膜症
糖尿病性網膜症は成人後の主要な失明原因の一つです。
糖尿病網膜症は、ゆっくりと進行するため本人は眼が見えなくなって来ていることを自覚しないまま進行し、気づいたときには失明寸前ということがしばしばあります。
2.糖尿病性腎症
糖尿病腎症は透析療法が必要になる原因の第一位です。
腎臓の働きが極端に低下すると、血液中に不純物が溜まり生命に危険が生じます。そのようなときは透析療法を始める必要に迫られます。
現在国内では毎年新たに3万人以上の方が透析療法を始められていますが、そのうち約4割が糖尿病腎症によるもので、透析が必要になる原因のトップとなっています。
3.糖尿病性神経障害
糖尿病性神経障害は、高血糖によって神経が障害されることで起こります。
神経は全身にくまなく張り巡らされていますから、その影響は全身に及び、多彩な症状となって現れます。
4.糖尿病に多い、そのほかの合併症・併発症で障害年金の対象になる可能性のある疾病
血糖値が高いと細い血管ばかりか太い血管の障害「動脈硬化」も起こります。その結果として、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳梗塞や脳出血などの脳卒中が起こりやすくなります。また足の動脈硬化から歩行困難になったり、壊疽(組織が腐ってしまうこと)が起きたりもします。
障害年金では糖尿病の合併症が全て糖尿病と相当因果関係があるとはされていません。
「相当因果関係」とはいわゆる合併症で、前の疾病がなかったら後の疾病が起こらない関係と定義されています。
糖尿病の合併症として慢性腎不全、脳梗塞、脳卒中、糖尿病網膜症、心筋梗塞、糖尿病腎症、下肢閉塞性動、 脈硬化症、糖尿病神経障害、皮膚疾患等があります。
障害認定基準等で相当因果関係の有無についての認定について示されています。
糖尿病と「相当因果関係」あり
糖尿病と糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性壊症(糖尿病性神経障害、糖尿病性
動脈閉鎖症)は、相当因果関係ありとして取り扱います。
糖尿病と「相当因果関係」なし
糖尿病と脳出血又は脳梗塞は、相当因果関係なしとして取り扱います。
合併症の初診日についての考え方
因果関係がある合併症の場合の初診日は、糖尿病で最初に受診した日が合併症の初診日とされます。
糖尿病と診断されてから20年以上に亘って療養を継続し慢性腎不全になって人工透析を導入される場合がよくあります。
このような場合、慢性腎不全と相当因果関係のある糖尿病の初診日を明らかにしなければなりません。
長期の経過のため転医を繰り返したり、カルテが廃棄されていることがあり、初診日の特定が困難になり障害年金の請求が難しくなります。
脳出血や脳梗塞は相当因果関係がないため脳出血や脳梗塞があった日が初診日になります。
脳出血や脳梗塞の脳血管関係の疾病は、初診日から6カ月経過して症状が固定していれば1年6カ月を待たなくても障害年金を請求できます。
糖尿病や合併症で障害年金の請求をお考えの方は岡山障害年金請求サポートセンターにご相談ください。
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