うつ病と診断された後に発達障害もあると言われました。障害年金の請求の初診日と病名はどうなりますか?

投稿日: カテゴリー: うつ病発達障害知的障害障害年金請求
うつ病と診断された後に発達障害もあると言われました。障害年金の請求の初診日と病名はどうなりますか?
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職場で同僚とコミュニケーションが取れなくて不眠や疲労感が続きいくつかのメンタルクリニックを受診した。
結果は「パニック障害」や「適応障害」とされて抗不安薬や睡眠薬などを処方された。一向に良くならずやがてうつ病と診断されて入院設備のある病院を紹介された。
入院した病院に発達障害の専門医がいてアスペルガー症候群(AS)と診断された。このような場合は病名変更とされます。
障害年金の請求は最初に受診したクリニックのパニック障害又は適応障害と診断された日が初診日で請求病名はアスペルガー症候群(AS)になります。
うつ病で障害厚生年金を請求し受給していて、その後、発達障害と言われても単なる病名の変更ですから障害厚生年金に受給に影響はありません。発達障害だから障害基礎年金に変更するようなことはありません。
発達障害や知的障害では、他の精神障害が前後して発病(診断)されることはよくあります。このように2つの精神障害が前後して発病した場合の取扱いを厚生労働省が示しています。

 知的障害や発達障害と他の精神疾患が併存している場合の取扱い

精神障害の障害認定基準が平成23年9月1日改正され知的障害または発達障害の者にその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定は行わず、諸症状を総合的に判断して認定することになりました。
発達障害や知的障害と精神障害が併発しているケースは、別疾病とするか同一疾病にするかの判断が難しい事例が多くあります。
これまで、「知的障害や発達障害と他の精神疾患が併存している場合の取扱い」について具体的に明示されていたものはなく、具体的にはどのような取扱いとなるのか不明のため日本年金機構からの疑義照会に対する厚生労働省年金局が示した回答(疑義照会 給付企No2011-121)です。

<厚生労働省年金局回答>

発達障害や知的障害と精神障害が併発しているケースについては、障害の特質性から初診日及び障害状態の認定契機を次のとおり整理するが、認定に当たっては、これらを目安に発病の経過や症状から総合的に判断する。
(1) うつ病又は統合失調症と診断されていた者に後から発達障害が判明するケースについては、そのほとんどが診断名の変更であり、あらたな疾病が発症したものでないことから別疾病とせず「同一疾病」として扱う。
(2) 発達障害と診断された者に後からうつ病や神経症で精神病様態を併発した場合は、うつ病や精神病様態は、発達障害が起因して発症したものとの考えが一般的であることから「同一疾病」として扱う。
(3) 知的障害と発達障害は、いずれも20歳前に発症するものとされているので、知的障害と判断されたが障害年金の受給に至らない程度の者に後から発達障害が診断され障害等級に該当する場合は、原則「同一疾病」として扱う。
例えば、知的障害は3級程度であった者が社会生活に適応できず、発達障害の症状が顕著になった場合などは「同一疾病」とし、事後重症扱いとする。
なお、知的障害を伴わない者や3級不該当程度の知的障害のある者については、発達障害の症状により、初めて診療を受けた日を初診とし、「別疾病」として扱う。

この書き方だけでは前初の知的障害が3級以上かそれ以下かの判定方法が不明です。知的障害どうかの判断は療育手帳の有無、小中学校で普通学級か否か・・・が考えられますが、具体的には示されていません。療育手帳を取得してない場合は、同一疾病の事後重症請求と発達障害の認定日請求で有利な請求方法を選んで療育手帳を取得するかしないかを考えるのも一つの方法と思われます。

この書き方だけでは前初の知的障害が3級以上かそれ以下かの判定方法が不明です。知的障害どうかの判断は療育手帳の有無、小中学校で普通学級か否か・・・が考えられますが、具体的には示されていません。
療育手帳を取得してない場合は、同一疾病の事後重症請求と発達障害の認定日請求で有利な請求方法を選んで療育手帳を取得するかしないかを考えるのも一つの方法と思われます。
(4) 知的障害と診断された者に後からうつ病が発症した場合は、知的障害が起因して発症したという考え方が一般的であることから「同一疾病」とする。
(5) 知的障害と診断された者に後から神経症で精神病様態を併発した場合は「別疾病」とする。
ただし、「統合失調症(F2)」の病態を示している場合は、統合失調症が併発した場合として取扱い、「そううつ病(気分(感情)障害)(F3)」の病態を示している場合は、うつ病が併発した場合として取り扱う。
(6) 発達障害や知的障害である者に後から統合失調症が発症することは、極めて少ないとされていることから原則「別疾病」とする。
ただし、「同一疾病」と考えられるケースとしては、発達障害や知的障害の症状の中には、稀に統合失調症の様態を呈すものもあり、このような症状があると作成医が統合失調症の診断名を発達障害や知的障害の傷病名に付してくることがあります。したがって、このような場合は「同一疾病」とする。

ただし書きで、発達障害や知的障害の症状の中に、統合失調症の症状を示すものは同一傷病とするとしていますが、統合失調症の症状が発達障害や知的障害の「中なのか」と発達障害や知的障害の「外なのか」を主治医がどう判断するというのでしょう。

このときには「統合失調症の診断名を発達障害や知的障害の傷病名に付してくる」としていますが、別傷病の場合でも請求書に2つの傷病名を併記するのは同じです。これでは判断しようがないと思われます。

厚生労働省年金局が示した発達障害や知的障害と精神疾患が併発する場合の判定例です。

発達障害や知的障害と精神疾患が併発する場合の判定例

 

前発疾病 後発疾病 判定
発達障害 うつ病 同一疾病
発達障害 神経症で精神病様態 同一疾病
うつ病

統合失調症

発達障害 診断名の変更
知的障害(経度) *1 発達障害 同一疾病
知的障害 うつ病 同一疾病
知的障害 神経症で精神病様態 別疾病
知的障害

発達障害    *2

統合失調症 前発疾患の病態として出現している場合は同一疾患(確認が必要)
知的障害

発達障害

その他精神疾患 別疾病

*1 前発の知的障害が3級程度の場合は同一疾病として事後重症扱い。3級非該当程度の知的障害は別疾病として発達障害の初診日を初診として請求する。
*2 厚生年金加入中の初診の統合失調症に知的障害もあって同一疾病になると20歳前障害になってしまいます。逆に、20歳以降初診の統合失調症で納付要件を満たしていない場合は知的障害があることになれば20歳前障害となって救われるケースも考えられます。

<参考>発達障害のICD-10

発達障害は、ICD-10では、F80からF89、F90からF98に該当します。
F80-F89 心理的発達の障害
F80 会話及び言語の特異的発達障害
・F80.0 特異的会話構音障害
・F80.1 表出性言語障害
・F80.2 受容性言語障害
・F80.3 てんかんを伴う後天性失語(症)[ランドウ・クレフナー 症候群] ・F80.8 その他の会話及び言語の発達障害
・F80.9 会話及び言語の発達障害,詳細不明
F81 学習能力の特異的発達障害
・F81.0 特異的読字障害
・F81.1 特異的書字障害
・F81.2 算数能力の特異的障害
・F81.3 学習能力の混合性障害
・F81.8 その他の学習能力発達障害
・F81.9 学習能力発達障害,詳細不明
F82 運動機能の特異的発達障害
F83 混合性特異的発達障害
F84 広汎性発達障害
・F84.0 自閉症
・F84.1 非定型自閉症
・F84.2 レット症候群
・F84.3 その他の小児<児童>期崩壊性障害
・F84.4 知的障害〈精神遅滞〉と常同運動に関連した過動性障害
・F84.5 アスペルガー症候群
・F84.8 その他の広汎性発達障害
・F84.9 広汎性発達障害,詳細不明
F88 その他の心理的発達障害
F89 詳細不明の心理的発達障害
F90-F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害
F90 多動性障害
・F90.0 活動性及び注意の障害
・F90.1 多動性行為障害
・F90.8 その他の多動性障害
・F90.9 多動性障害,詳細不明
F91 行為障害
・F91.0 家庭限局性行為障害
・F91.1 非社会化型<グループ化されない>行為障害
・F91.2 社会化型<グループ化された>行為障害
・F91.3 反抗挑戦性障害
・F91.8 その他の行為障害
・F91.9 行為障害,詳細不明
F92 行為及び情緒の混合性障害
・F92.0 抑うつ性行為障害
・F92.8 その他の行為及び情緒の混合性障害
・F92.9 行為及び情緒の混合性障害,詳細不明
F93 小児<児童>期に特異的に発症する情緒障害
・F93.0 小児<児童>期の分離不安障害
・F93.1 小児<児童>期の恐怖症性不安障害
・F93.2 小児<児童>期の社交不安障害
・F93.3 同胞抗争障害
・F93.8 その他の小児<児童>期の情緒障害
・F93.9 小児<児童>期の情緒障害,詳細不明
F94 小児<児童>期及び青年期に特異的に発症する社会的機能の障害
・F94.0 選択(性)かん<縅>黙
・F94.1 小児<児童>期の反応性愛着障害
・F94.2 小児<児童>期の脱抑制性愛着障害
・F94.8 その他の小児<児童>期の社会的機能の障害
・F94.9 小児<児童>期の社会的機能の障害,詳細不明
F95 チック障害
・F95.0 一過性チック障害
・F95.1 慢性運動性又は音声性チック障害
・F95.2 音声性及び多発運動性の両者を含むチック障害[ドゥ ラ トゥーレット症候群] ・F95.8 その他のチック障害
・F95.9 チック障害,詳細不明
F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症するその他の行動及び情緒の障害
・F98.0 非器質性遺尿(症)
・F98.1 非器質性遺糞(症)
・F98.2 乳幼児期及び小児<児童>期の哺育障害
・F98.3 乳幼児期及び小児<児童>期の異食(症)
・F98.4 常同性運動障害
・F98.5 吃音症
・F98.6 早口<乱雑>言語症
・F98.8 小児<児童>期及び青年期に通常発症するその他の明示された行動及び情緒の障害
・F98.9 小児<児童>期及び青年期に通常発症する詳細不明の行動及び情緒の障害

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