老齢年金を繰上げ請求していても障害年金の請求は可能ですか?

投稿日: カテゴリー: 障害年金請求

老齢年金を繰上げ請求していても障害年金の請求は可能ですか?

最近は老齢年金の繰上請求する方はあまりいません。それでもいろんな事情で請求する場合もあります。繰上げ請求後に障害者になった場合の障害年金の説明です。

質問

国民年金の老齢基礎年金を62歳で繰上げ請求しました。その後、脳梗塞を発症し身体障害者手帳1級になって市役所で相談したら障害年金は請求できないと言われました。
結婚してから夫が自営業だったので国民年金の保険料をきちんと払い続けてきたのに、障害年金は受給できないのでしょうか?

回答

国民年金の老齢基礎年金を繰り上げ請求した後の障害については、残念ながら、特別な場合※を除いて、障害年金の対象とならないと定められています。

老齢基礎年金の本来支給は65歳からですが、希望すれば65歳に達する前に繰上げ請求することができます。繰上げ請求をすると、実際の年齢は65歳未満ですが、障害年金の支給要件の規定上では65歳に到達しているものとして扱いわれ、特別な場合*を除いて障害害年金の請求ができないと定められています。

できなくなる理由は、普通の繰上げ請求をしていない人と比べて、繰上げ請求で老齢基礎年金を受給した額だけ多く受給することになり、繰上げ請求をしていない者とのバランスを欠くことになるからです。 (国年法附則第9条の2の3 厚生年金法附則第16条の3)

以下具体的な障害年金を請求できるかできないかの事例です。参考にしてください。

特別な場合*・・老齢年金を繰上げ請求していても障害年金の請求ができるのは?

(ア) 初診日が60歳前にあり、障害認定日障害等級に該当する者

 

(イ) 初診日が60歳以上65歳未満の被保険者(国民年金任意加入)期間中にあり、障害認定日に障害等級に該当する者

(ウ) 初診日が60歳以降の被保険者でない期間にあり障害認定日が老齢基礎繰上げ請求前にある者

(エ) 老齢基礎繰上げ後に厚生年金被保険者となってから初診日がある者の認定日請求・・・繰上げ請求後に初診日がある場合で障害年金を請求できるのはこの事例だけです。

(オ)繰上請求前に初めて2級に該当した場合の初めて2級の障害年金請求

<解説>

障害基礎年金の支給要件(国民年金法第30条第1項)は疾病にかかり、または負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病の初診日において

  • 被保険者であること。
  • 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。

この①②のいずれかに該当した者が、初診日における納付要件を満たし、障害認定日において、政令で定める障害等級に該当する程度の障害の状態にあると支給されます。

(エ)の事例は老齢基礎年金の全部繰上げ(国民年金法附則第9条の2第3項)をした後に、厚生年金被保険者期間中に初診日があります。

国民年金法附則第9条の2の3(障害基礎年金等の特例)によると、国民年金法第30条第1項(第2号(上記②)に限る)の規定は、当分の間、老齢基礎年金の全部繰上げ(国民年金法附則第9条の2第3項)を受給している者には、適用しないとされており、国民年金法第30条第1項第1号(上記①)は除かれています。

上記①の被保険者は、国民年金法第7条第1項の被保険者であり、65歳未満の厚生年金保険の被保険者である国民年金の第2号被保険者も含まれます。

以上により、厚生年金の加入中に初診日があることから、障害厚生年金の請求ができ、障害認定日による請求に限り、障害等級が2級以上に該当した場合、障害厚生年金と障害基礎年金が支給されます。

障害基礎年金の事後重症による請求は、国民年金法第9条の2の3の規定により請求できません。

疑義照会No.2010-810

 

老齢年金を繰上げ請求すると障害年金の請求ができないのは?

(ア) 初診日が60歳以上65歳未満の被保険者でない期間中にあって老齢年金繰上請求後に障害認定日がある場合

被保険者でない・・・60歳以降国民年金に任意加入していない又は厚生年金に加入してないこと

(イ) 老齢年金繰上げ請求以後に事後重症で障害等級に該当した場合

60歳前から受給していた障害年金の病気が悪化したらどうなりますか?

60歳前から障厚生害年金を受給していた方が、老齢年金を繰上請求した後に障害状態が悪化した場合の障害年金の説明です。

質問1

3級の障害厚生年金を受けていましたが、年金額が少ないので老齢年金を繰上げ請求して選択受給しています

その後障害の状態が悪化したので改定請求できますか?

回答

(ア) 基礎年金を繰上げ受給すると2級以上(障害基礎年金)に該当したことのない3級の障害厚生年金の改定請求はできません

厚生年金法附則第16条の3第2項

初めは2級以上に該当していたが、症状が改善して降級して3級該当になっている障害厚生年金は、同じ障害が悪化した場合は改定請求できます。

  • 障害年金受給者に新たなその他の障害が発生したことにより障害等級が上位等級に変更する改定請求はできません。

障害基礎年金 国民年金法第34条第4項   障害厚生年金 厚生年金法第52条第4項

(ウ) 障害の程度が軽くなって支給停止されている者に新たなその他の障害が発生して併合すると2級以上に変更できる場合の改定請求はできません。

障害基礎年金 国民年金法第36条第2項ただし書き  障害厚生年金 厚生年金保険法第52条の2第2項及び厚生年金保険法第54条第2項ただし書き

質問2

2級の障害厚生年金を受けていたが、年金額が少ないので老齢年金を繰上げ請求して選択受給しています。

その後障害の状態が悪化したので改定請求できますか?

回答

障害等級が2級の障害年金は、支給事由の障害の程度が悪化すると1級への改定請求は可能です。

障害基礎年金2級が障害の程度が改善して支給停止になっていたのが、同一傷病により障害の程度が悪化した場合に「支給停止事由消滅届」の提出も可能です。

支給停止事由消滅届についてはこちらを参照してください。

 

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2022050916:07
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