審査請求とは?

審査請求とは?

障害年金の不服申し立ては審査請求と再審査請求があります。

障害年金の審査請求とはどういうもの?

障害年金の裁定請求書を提出して、日本年金機構での審査が終わると認定結果が郵送されてきます。

年金の受給権が認められた場合は年金証書、不支給となった場合は不支給の理由を書いた不支給決定通知書が送付されます。
遡及請求(認定日請求)をして事後重症で認定された場合は、事後重症の年金証書(事後重症)と不支給決定通知書(遡及請求)の両方が入っています。

この認定結果に不服があるときは最終的には訴訟(裁判)となりますが、すぐに訴えることはできません。
まず初めに行政に対しての不服の申し立てを行うことになります。

審査請求

これを審査請求と言います。審査請求結果に不服がある場合は再審査請求を行い再審査請求結果に不服がある場合が訴訟になります。審査請求を省略して訴訟には持ち込めません。

審査請求の申し立てには期限があり、結果を知った日(受け取った)から3カ月以内に行うこととされています。
この期限内にされなかった審査請求は、正当な理由がない限り却下されることになります。

不支給通知書が入っていた封筒は捨てないで持っていてください。(届いた日から3カ月以内を確定するために必要です。)

社会保険審査官及び社会保険審査会法
(審査請求の期間)
第四条 審査請求は、被保険者若しくは加入員の資格、標準報酬若しくは保険給付(国民年金法による給付並びに年金給付遅延加算金支給法による保険給付遅延特別加算金(厚生年金保険法附則第二十九条第一項の規定による脱退一時金に係るものを除く。)及び給付遅延特別加算金を含む。)、標準給与、年金たる給付若しくは一時金たる給付又は国民年金の保険料その他国民年金法の規定による徴収金若しくは年金給付遅延加算金支給法第六条第一項の規定による徴収金(給付遅延特別加算金に係るものに限る。)に関する処分があつたことを知つた日の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。ただし、正当な事由によりこの期間内に審査請求をすることができなかつたことを疎明したときは、この限りでない。

できるだけ早く行動してください。

3カ月はあっという間に過ぎてしまいます。

3カ月を過ぎてしまうと審査請求は受け付けてもらえませんから、不支給決定が確定してしまいます。

審査請求は、口頭または文書で請求できるとされていますが、実際は審査請求書を提出して文書で行います。

審査請求は地方ごとにある厚生局の社会保険審査官宛に電話をして
「障害年金の結果について審査請求をしたいので用紙を送ってください」と言って請求書を送ってもらってください。この際、不服のある内容について特に詳しく言う必要はありません。言っても相手は本気で聞いてはいないので電話代が無駄です。

岡山県は中国四国厚生局
730-0017 広島市中区鉄砲町7-18東芝フコク生命ビル2階 082-223-0070

審査請求というのは日本年金機構という行政組織が下した処分について、その処分が妥当なものであるかを、厚生労働省の職員で地方厚生局に配置されている社会保険審査官が審査するものです。
社会保険審査官は社会保険審査官及び社会保険審査会法施行令により102人が定数とされています。

社会保険審査官とは?
社会保険審査官は旧社会保険庁出身の厚生労働省の事務官が辞令を受けて配置されているもので、特に障害年金制度に詳しいとかを配慮して配置されているのではありません。
分かりやすく言えば人事の巡り会わせ(順番)で社会保険審査官になったような人物が自分一人だけの判断で審査しているのです。
行政サイドの人間が行政が下した処分を審査するのですから結果はおのずと知れたことです。処分取り消し(訴えを認めること)されることは殆どありません。

社会保険審査官及び社会保険審査会法
(任命)
第二条 審査官は、厚生労働省の職員のうちから、厚生労働大臣が命ずる。

審査請求に対する結果は、

  • 処分取消(認容)・・・不支給が取り消され障害年金が受給出来る
  • 棄却     ・・・請求内容を審査した結果、認められない
  • 却下     ・・・請求内容が審査に値しないとして門前払い

があり、結果は文書で届きます。

社会保険審査官は請求書を受理すると不支給処分をした保険者(日本年金機構)に意見書を求めます。
保険者が意見書を提出した結果、社会保険審査官からの指摘で保険者(日本年金機構)が不支給処分を変更して支給になる場合は、保険者から請求者に通知があるとともに、社会保険審査官から審査請求を取り下げるか、電話で確認があります。

審査期間としては、4か月~5か月です。
審査請求の種別、件数の統計は公開されてないようです。

審査請求では、社会保険審査官に対し、不支給処分のどこが不当か、その根拠は何か、どのような処分を求めるかを、具体的に文書で表現しなければなりません。
この内容によって審査がなされ、請求者と社会保険審査官・日本年金機構担当者との公開審理等はありません。
審査請求書の作成は個人では難しいと思います。経験豊富な当センターにお任せいただきたいと思います。

障害年金の再審査請求とはどういうもの?

審査請求で社会保険審査官が下した処分に不服がある場合、もう一度不服を申し立てることができます。これが再審査請求です。

再審査請求

再審査請求は、厚生労働省の社会保険審査会に対して行います。

社会保険審査会とは?
社会保険審査会の委員は厚生労働省や日本年金機構の行政サイドの職員ではなく衆参両院の同意を得て厚生労働大臣が任命します。

社会保険審査官及び社会保険審査会法
(委員長及び委員の任命)
第二十二条 委員長及び委員は、人格が高潔であつて、社会保障に関する識見を有し、かつ、法律又は社会保険に関する学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、厚生労働大臣が任命する。
社会保険審査会委員名簿(平成28年6月23日現在)委員は五十音順
委員長   渡邉 等
委員    大谷 すみれ
〃     後藤 昭夫
〃     瀧澤 泉
〃     森 俊介
〃     吉山 敦子

再審査請求は審査請求の決定書が送付されたの日の翌日(決定書の日付)から3カ月以内に行うことになっています。(決定書が届いた日から3カ月以内ではありません)
この期限を越えて請求された再審査請求は正当な理由がない限りは却下されることになります。

社会保険審査官及び社会保険審査会法
(再審査請求期間等)
第三十二条 健康保険法第百八十九条第一項、船員保険法第百三十八条第一項、厚生年金保険法第九十条第一項若しくは石炭鉱業年金基金法第三十三条第一項、国民年金法第百一条第一項又は年金給付遅延加算金支給法第八条第一項の規定による再審査請求は、審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して二月を経過したときは、することができない。

再審査請求は、社会保険審査会に、改めて書類を書いて提出します。
申立用紙は、厚生労働省 社会保険審査調整室に請求して送付してもらいます。
電話番号 03-5253-1111 厚生労働省代表番号ですのでオペレーターに社会保険審査調整室へつないでもらって下さい。

社会保険審査会の再審査は、社会保険審査会委員(3人)、請求人(代理人)、保険者(日本年金機構)、参与が出席して「公開審理」で行われます。

社会保険審査会への出席は義務ではありませんから、多忙で時間が取れなかったり、遠方の方やご病気などで、霞ヶ関の厚生労働省まで行くことができなければ、出席しなくても構いません。

参与の方が保険者に請求人の気持ちで追及してくれますので、出席しなかったからといって、不利になることはありません。

※参与は、被保険者、事業主、受給権者等の利益を代表して、口頭又は書面による意見を述べることができる者として、厚生労働大臣が指名している。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第30条)

どうしても自分の気持ちや主張を伝えたいというお気持ちが強ければ、自分の代わりに代理人に出席してもらうこともできます。

このような場合は、当センターがお客様の代理人となって、お客様の代わりに出席して、審査会で出される質問に答えたり、お客様のご意見を代わりに述べたりすることができます。どうぞお気軽にご相談ください。

審査請求は審査官一人が判断しますが、審査会は審査員3人に参与3人も加わって意見を述べて公開審理されますので公平性が高くなります。
審査請求が棄却でもあきらめずに再審査請求することをお勧めします。個人で再審査請求するのであれば審査請求と同じ文面でも構いません。公平性を期待して再審査請求することをお勧めします。

<参考>社会保険審査会裁決状況(被用者保険・国民年金別)
被用者保険

年度 裁決 処分変更
却下 容認 棄却 小計 取り下げ (原処分変更) 合計 容認+原処分変更 変更率
H23 208 98 846 1152 62(48) 1214 146 12.02%
H24 259 88 967 1314 45(30) 1359 118 8.68%
H25 178 155 762 1095 51(35) 1146 190 16.57%

国民年金

年度 裁決 処分変更
却下 容認 棄却 小計 取り下げ (原処分変更) 合計 容認+原処分変更 変更率
H23 75 25 715 815 76(59) 891 84 9.42%
H24 100 38 790 928 25(20) 953 58 6.08%
H25 72 54 652 778 63(49) 841 103 12.24%

合計

年度 裁決 処分変更
却下 容認 棄却 小計 取り下げ (原処分変更) 合計 容認+原処分変更 変更率
H23 283 123 1561 1967 138(107) 2105 230 10.92%
H24 359 126 1757 2242 70(50) 2312 176 7.61%
H25 250 209 1414 1873 114(84) 1987 293 14.74%

社会保険審査会は裁決状況を公表しています。原処分変更は社会保険審査会からの指摘で保険者(日本年金機構)が不支給から支給に処分を変更した件数です。
公表されている3年の平均では1割以上支給されるようになっています。
審査請求がだめでも再審査請求まで頑張りましょう。

再審査請求でもだめなら裁判

国を相手に裁判を起こす

再審査請求でも、障害年金支給が認められなかったら社会保険審査会が発行する裁決書によって、不支給処分が覆らないという結果を知った日から6ヵ月以内に、国を相手に民事裁判を起こすことができます。

障害年金の申請をして、年金機構から不支給通知があっても、いきなり裁判所に訴えるということができません。

審査請求と再審査請求の2段階を踏んでもまだ不支給決定が覆らない場合には、裁判を起こすこともできることです。これは、長い道のりとなります。

法律にはこのように決められています。

国民年金法101条の2
(再審査請求と訴訟との関係)
第百一条の二  前条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。

厚生年金保険法91条の3
(不服申立てと訴訟との関係)
第九十一条の三  第九十条第一項又は第九十一条に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求又は審査請求に対する社会保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。

行政訴訟法14条
(出訴期間)
第十四条  取消訴訟は、処分又は裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

 

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