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障害年金と国民年金の保険料免除
国民年金加入者が障害基礎年金を請求して障害等級の1級・2級に該当すると国民年金保険料は国民年金法第89条(保険料の法定免除)に該当することになり、納付することを要しないとされていて納付できなくなります。
遡及認定されて受給権発生が遡った場合は、平成18年9月29日付庁保険発第0929001号通知により受給権発生年月日以降の納付済保険料は遡及して還付されます。
将来症状が改善されて障害年金が止まると困るので、少しでも老齢年金を多くもらえるよう国民年金の保険料を納付したい場合は、一度還付された期間の保険料を追納(国民年金法第94条)することになりますが、3年を超えた保険料は加算金のついた保険料を納めることになります。
将来老齢基礎年金が支給されるようになると障害基礎年金と老齢基礎年金はどちらかの選択になるためよく考える必要があります。
参考 国民年金保険料の還付に係る事務の取扱いについて(通知)
(平成18年9月29日) (庁保険発第0929001号)
(三重社会保険事務局長あて社会保険庁運営部年金保険課長通知) (公印省略)
「国民年金保険料の還付に係る事務の取扱いについて(照会)」(平成18年9月26日三局文発第1282号)について、下記のとおり回答する。
記
国民年金保険料については、国民年金法(昭和34年法律第141号)第89条の規定により障害基礎年金の受給権者となるなど定められた要件に該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料について、既に納付されたもの及び同法第93条第1項の規定により前納されたものを除き、納付することを要しないものとされている(法定免除)。
これは、障害基礎年金の受給権発生日等の属する月の前月分以降の保険料については、同日前に納付のあったものを除いて納付義務自体が生じないためであり、その結果、同日以降において納付されていた保険料は、還付することとなるものである。
このため、障害基礎年金が裁定され、その受給権が遡って発生した場合には、当該受給権発生日以降に納付されていた保険料(同日の属する月の前月以降の保険料に限る。)は還付することとなるが、障害の程度が軽快した場合にあっては、保険料の還付を受けることが将来老齢基礎年金を受ける上での不利益な取扱いにつながる恐れがあることから、障害の程度が軽快する可能性のある被保険者については、保険料を還付するに際し、その旨を説明すること。
なお、説明した結果、被保険者が還付対象となる保険料に係る期間を保険料納付済期間とすることを希望する場合には、追納制度を活用することにより対応すること。
ワンポイント 障害等級と国民年金の法定免除
- 障害基礎に該当していた人が、3級に隆級した場合→法定免除続く
- さらに下がって3級にも該当しなくなった→法定免除続く
- 3級にも該当しなくなって3年経過した→免除打ち切り
- その後増悪して、3級に該当になった→免除再開はしない
平成26年4月以降の取扱い
平成26年4月からは公的年金制度の財政的基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」の施行により、次のような取扱いに変更されました。
① 国民年金保険料を前納した後に法定免除に該当、または申請免除が承認された場合に、既に納付された前納保険料のうち法定免除該当日(申請免除の場合は申請日)の属する月分以後の保険料は還付を可能とする。
② 遡及して法定免除に該当(障害基礎年金の受給権者になったとき等)した場合に、法定免除該当日後に納付された保険料が必ず還付される取り扱いについて、本人が希望する場合には、当該期間を保険料納付済み期間として取り扱えるようにする。
将来、障害が軽快した場合には障害基礎年金が支給停止になり、老齢基礎年金を受給することになるので、保険料を納付したままにしてほしい希望する方がいます。
従来でも免除期間を追納することは可能でしたが、上乗せ年金(付加年金や国民年金基金)に加入できないことや前納割引が利用できない問題点があった。
③ 法定免除に該当した後に、将来の年金権確保のために、保険料の納付を希望する者は保険料を納付(前納を含む)することを可能とする。
従来は免除に該当すると納付(前納)はできなくなり、納付希望者は追納でしか納付できなかった。
平成26年4月以降の考え方
国年年金の保険料を免除のままとするのか、追納または納付するのか自己責任で決めてもらいます。
① 年金は、一人一年金の原則*があり障害と老齢の両方の権利がある場合は、本人が希望する年金を選択して受給します。公租公課を考慮して年金額が少ない障害年金(非課税)を選ぶ場合もあります。
※ただし65歳以降、老齢厚生年金+障害基礎年金という選択だけは可能です。
② 仮にいつまでも障害等級に該当していれば、そのまま障害年金が受給できます。ただし、障障害等級に該当し続けるかどうかは不明です。改善が見込まれる病気の場合は状態が軽くなることが多々あります。
また、状態が変わる可能性が低い障害であったとしても、国が勝手に認定基準を変更することにより、障等級に該当とされていたにもかかわらず、非該当とされることがあります。
③ 65歳以降障害年金が受給できなくなった場合は、老齢年金をもらうことになります。
ですので、変動のある障害の場合には、障害年金を受給しつつ、国民年金保険料を払い、老齢基礎年金を満額に近付けるようにすると判断される方もいます。
この判断は自己責任でご本人にしていただくことになります。
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202210181020:03