障害年金の種類と概要

障害年金いろいろ……障害年金の種類と概要

障害年金種類別早見表

障害年金は障害基礎年金が9種類、障害厚生年金が7種類あります。合計16種類の一覧表こちらにアップしています。
この頁ではこの一覧表を統合して、ほとんど請求事例がない旧法関係を省略して分かりやすくしています。

年金種別 初診日の条件 障害認定日 保険料納付要件 請求期限 何時から支給
障害認定日請求の障害年金(本来請求) 初診日に公的年金加入者であること。
障害厚生年金は初診日において厚生年金加入中であること。
障害基礎年金は、加入者であった60~65歳の国内在住者でも可。
初診日から1年半以内の障害認定日障害等級表の障害状態に該当すること 初診日の前日に納付要件をみる いつでも さかのぼって支給、ただし、さかのぼれるのは5年間だけ
事後重症による障害年金 初診日から1年半以降、65歳までに障害等級表の障害状態に該当すること 65歳まで 請求月の翌月から
初めて2級の障害年金 新たな障害の初診日に加入者であること 新たな障害の障害認定日以降、65歳までに初めて障害等級表の1・2級の障害状態に該当すること 新たな障害の初診日の前日に納付要件をみる いつでも
20歳前初診日傷病の障害年金 20歳前傷病の障害年金 公的年金未加入の20歳前に初診日 以下のときに、障害等級表の1・2級の障害状態に該当すること
①20歳の誕生日前日 
初診日から1年半の日が20歳以降のときは初診日から1年半の日
納付要件は問わない いつでも さかのぼって支給。ただし、さかのぼれるのは5年間だけ
事後重症による20歳前傷病の障害年金 障害認定日障害等級に該当しなかったが、その後、65歳までに障害等級表の1・2級の障害状態に該当すること 納付要件は問わない 65歳までに請求 請求月の翌月から

初診日とは?
障害の原因となる傷病について(またはその傷病と関連ある症状により)最初に医師(歯科医師)の診察を受けた日です。詳しくはこちらを参照してください。

・65歳までとは?
正確には「65歳の誕生日の2日前まで」です。

年齢計算に関する法律により年齢計算は、民法第143条の規定を準用されて、誕生日の前日で満何歳になります。このため65歳までは65歳の誕生日の2日前になります。

・公的年金未加入とは?
20歳前で会社で働いておらず、厚生年金の加入者でない場合。会社で働き、厚生年金に加入していれば、自動的に国民年金にも加入していることになります。この場合は、20歳前でも、本来の障害年金(1、2級なら基礎年金+厚生年金、3級なら厚生年金)が支給されます。

国民年金加入者(被保険者)の種類
第1号被保険者
国民年金の加入者
第2号被保険者
厚生年金保険や共済組合の加入者(国民年金と二重加入している。保険料は厚生年金保険や共済組合の保険料の納付だけで国民年金の保険料も納付したことになる。)
第3号被保険者
第2号被保険者の健康保険の扶養家族になっている配偶者(保険料は納付する必要はない。)

障害認定日とは?
障害認定日は障害年金を受給できる程度の障害の状態にあるかどうかを認定する日のことです。
具体的には
① 障害の原因となる傷病について最初に医師の診察を受けた日(初診日)から1年6ヶ月経った日
② ①の日までの傷病が治った(障害、症状が固定した)日
詳しくはこちらをご覧ください。

保険料納付要件とは?

保険料納付要件・・・保険料の納付状況を初診日の前日で判断します。
初診日前日までの未納(納付が遅れている)期間を初診日以降に納付しても、障害年金の納付要件を見るときには、納付期間となりません。
障害年金の納付要件を考えるときには、単に納付済かどうかだけでなく納付日のチェックが必要です。

具体的な保険料納付要件
初診日月の前々月以前12ヶ月(さかのぼった1年間、たとえば初診日が4月なら、前年の3月から初診日の年の2月まで)の全てが滞納期間でないこと
または
初診日の前日に、原則として、20歳誕生日の前日月から初診日月の前々月までの国民年金に加入すべき全期間のうち保険料納付済み(とみなされる)期間が3分の2以上あること。

・この初診日月の前々月」は、H3年4月以前に初診日がある場合は、「初診日月前の直近の基準月(1月、4月、7月、10月)の前月」になるので注意してください。

・ 先天性の疾患など「20歳前の公的年金未加入期間」に初診日がある場合は、保険料納付要件は問わず障害基礎年金の請求ができます。

保険料納付要件について詳しくはこちらを参照してください。

障害認定日請求の障害年金(本来請求)

本来請求(障害認定日による)請求
障害認定日に障害の状態が障害等級に該当している場合の請求方法です。

障害認定日から1 年以内に請求する場合

障害認定日から1年以内請求

障害認定日から1 年以内に請求する場合は、障害認定日から3ヶ月以内の現症を記載した診断書1 枚用意します。人工臓器等障害認定日の特例に該当する場合は1年6ヶ月を待たなくても請求できます。

決定すれば障害認定日の翌月から支給されます。障害認定日の特例はこちらを参照してください。

障害認定日から1 年以上たって遡及請求する場合・・・・遡及請求

遡及請求

これも本来請求ですが、本来請求を遡ってするので遡及請求といいます。認定日以降3ヶ月以内の現症の診断書と請求日前3ヶ月以内の現症の診断の2枚を用意します。
遡及請求の場合は、障害認定日障害等級に該当しない場合や、審査段階で初診日が前後することがあるので「障害給付 請求事由確認書」を提出します。

事後重症による障害年金

障害認定日において障害等級の1級又は2級の状態に該当しなかった方が、その障害で65歳に達する日の前日までに障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態になったときは、65歳に達する日の前日までに請求することができます。

事後重症請求

請求時の現症の診断書を用意します。決定すれば請求月の翌月から支給されます。

事後重症について詳しくはこちらを参照してください。

初めて2級の障害年金

前発障害が障害認定日の障害の状態が軽くて3級該当か非該当だった場合で、その後新たな傷病(基準傷病)が発生して、65歳に達する日の前日までに両方の障害を併合すると初めて2級以上に該当するようになったものを「初めて2級」といいます。認定方法は併合認定と同じです。基準傷病による障害を「基準障害」といいます。
初めて2級

初めて2級の納付要件等は前発障害では問いません。基準障害だけで納付要件等を判断します。

基準障害が国民年金加入中または日本国内に住所を有し60歳以上65歳未満であれば障害基礎年金、厚生年金加入中であれば障害厚生・基礎年金の請求になります。

障害厚生年金の年金額の基礎となる被保険者期間は基準傷病の障害認定日までの被保険者期間になります。

初めて1級又は2級による請求は、65歳に達する日の前日までに障害等級の1級又は2級に至ったことが確認できる診断書の添付が可能であれば、65歳以降でも請求が可能です。

受給権発生日は、基準傷病の障害認定日以降65歳に達する日の前日までに障害等級に該当した日となるため、その時点より請求日が1年以上経過する場合は、請求日以前3月以内の診断書も必要となります。

基準傷病以外の傷病が、過去に2級以上に該当したことがある場合は、初めて1級又は2級による請求はできません。

支給されるのは事後重症による障害年金と同じで、請求した日の翌月から支給されます。

20歳前初診日傷病の障害年金

国民年金未加入の20歳前初診日傷病の障害年金は他の障害年金のように加入要件、納付要件を問われない無拠出の年金です。
20歳前でも第2号被保険者であれば厚生年金(共済組合)の障害年金に該当します。

無拠出の障害年金を昭和61年4月前は障害福祉年金と呼んでいました。昭和61年4月施行の法律改正で障害福祉年金は障害基礎年金に変更(裁定替え)になりました。

障害認定日がいつかによって次の2パターンがあります。

① 障害認定日(初診日から1年6ヶ月)が20歳前にある場合

認定日が20歳前
20歳になる日が障害認定日になるので、20歳時点で障害等級に該当していれば、20歳到達後にいつでも請求できます。年金の支給は20歳までさかのぼって支給されます。ただしさかのぼるのは時効により5年間だけです。

特別児童扶養手当(以下「特児」)の受給者の場合は特児の診断書で請求することができます
初診日が20歳未満の障害基礎年金(20歳前障害基礎年金)請求で、請求者が特別児童扶養手当の受給者の場合は、特別児童扶養手当の診断書で障害認定が可能とされています。

特児は、特別児童扶養手当等の支給に関する法律により、精神又は身体に障害を有する20 歳未満の障害児の父母または養育者に対し支給されます。特児の障害等級は、国民年金法施行令別表(第4条の6関係)と同様に定められています。

特児は市区町村にて請求を受付・経由し、都道府県知事により認定されます。特児の診断書は、年金の診断書に近い形式で作成されています。特児の診断書は、自治体のWebサイトに掲載されています。

②  障害認定日(初診日から1年6ヶ月)が20歳後にある場合

認定日が20歳後
初診日から1年6ヶ月が障害認定日になり、その時点で障害等級に該当していれば請求できます。
年金の支給は初診日から1年6ヶ月の障害認定日までさかのぼって支給されます。ただしさかのぼるのは時効により5年間だけです。

③ 事後重症による20歳前傷病の障害年金

①または②の障害認定日時点で障害の状態が障害等級に該当していなかったが、65歳までに障害の状態が障害等級に該当した場合は、事後重症の障害年金の請求ができます。決定すれば請求日の翌月から障害年金が支給されます。

ワンポイント
先天性股関節脱臼で完全脱臼したままで成育し事後重症で請求の場合
この事例は無拠出の20歳前の障害年金(要所得確認)となりますが、医師の診断を受けてないとか、受けていても初診日証明がとれないことが多いです。

このような場合は義務教育中の体育は見学していたとの担任や同級生の証明又はそのことが記載された通信簿の写し等があれば有力な証拠となります。

青年期以降になって変形性股関節症が発生した場合は症状が発症した日を発病日とします。厚生年金被保険者中であれば厚年障害に該当します。国民年金加入中であれば障害基礎(所得確認不要)に該当します。

20歳前初診日傷病の障害年金の所得制限等の支給停止

20歳前障害による障害基礎年金(平成6年改正附則6条の規定に基づく給付を含む。)の場合は、保険料納付要件は問いませんが、20歳前障害の障害基礎年金は無拠出で全額国庫負担のため本人に一定額以上の所得があるときは、年金額の全額又は一部が支給停止になります。

また、受給権者が日本国内に住所を有しないときや監獄・労役場等に拘禁(未決拘留期間は除く)されているとき、少年院その他これに準ずる施設に収容されているときは、その間支給停止になります。

恩給法や労働者災害補償保険法などの政令で定められた他の年金を受けることができる場合も、支給調整の対象になります。

<参考>平成20年度以降所得制限限度額
全額支給停止 扶養親族0人・・年4,621,000円
半額支給停止 扶養親族0人・・年3,604,000円
*全額支給停止額は4,621,000円に扶養親族1人が殖える毎に380,000円を加算する。
*半額支給停止額は扶養親族が1人増える毎に380,000円(当該扶養親族が所得税法に規定する老人控除対象配偶者・老人扶養親族であるときは480,000円、特定扶養親族であるときは630,000円)を加算する。


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